(untitled)

 伊.坂先生の10年を覗き見ました。エッセイのことです。
 あんなに機知に富んだ物語を書ける人って一体どんな人生を送って来たのだろう、という十人並みな動機で読んでみました。
 10年って、長いようで短いですよね。年をとればとるほど1年が短くなるように感じるのは、分母が大きくなるからだ、と私は考えています。
 さて、ひとまず私が感じたことは、彼はいろんな人に自分から声をかけているのだな、ということです。やはり自分からアクションを起こさないと(例外も多々ありますが)面白いことが空から降ってきたりはしないのでしょう。私も、色んな方に自分からあいさつできるようになりたいな、と痛感いたしました。
 いや、もう、なんといいますか、大好きなんです。私が読んだのは十年も前に書かれた小説で、彼がもう40近いだなんて信じられません。あんなに著名で私好みの作家を知らずに生きてきて、趣味は読書です、なんて恥ずかしくて言えません。きっかけは、伏線まみれの本が読みたい、と母に尋ねてオススメされたことなのですが、文章に流れる、空気といいますか、うまく言葉にできない何かが、心にしみ込んでくるようでしっくりきて、伏線がなくても(もちろん有るほうが嬉しいですが)、好きだと思いました。
 きっと他にも、私が知らない、(もしかすると誰も知らない)、素敵な感性を持った作家が潜んでいるのだろうと思うと胸が熱くなりますね。
  

 龍.之介くんのショタ時代の破壊力は絶大です。
 昼に再放送のドラマをやっていました。テレビから突如聞こえてきた魅惑のショタボイスにまんまと誘惑され、テレビの電源を切れず何話か拝聴しました。
 子供たちが何人か出演するのですが、彼らが可愛すぎて、おまけに夏が舞台なことも相まって、内容は二の次で悶えてしまいました。夏、子ども、田舎、の3点がそろうと向かうところ敵なし、です。

  
 乗客のほとんどいない昼ごろの電車に乗っていると、次の停車駅がアナウンスされ、その声があきらかに女性のものだったので驚いて電車の後方をうかがうと、女性車掌さんがいました。(帰りは最後尾の車両に乗ることが多いのでよく見えます)。私の眼にはとてもかっこよく映り、運転手さんに合図を送っているところなど颯爽としていて、いずれは運転もまかされるのだろうな、なんて感慨にふけっておりました。
 降車駅にたどりつき、電車から降りると、階段のあたりで男の子とそのお母さんが立っていました。
電車に乗り遅れたのかな、と思って見ていると、男の子がさっきの女車掌さんに手を振りました。それに対し、車掌さんもにこやかに手を振り返していました。
ゆっくりスピードを上げてゆく電車の、すれ違いさまに手を振り合っているのは微笑ましい光景で、温かい気持ちになり、なんだ、まだまだ現実捨てたもんじゃないな、と思いました。